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きょうだい児ポルノ!「自閉症のきょうだいがいること」という動画に思うこと

2021年6月19日

 わたしには、自閉症のきょうだいがいます。それを前提に話します。

 自閉症のきょうだいがいるということは、当事者、その親、きょうだいにとっても甘いことではないのです。それが発覚した時は、家族全体に衝撃が走ります。その意味をHUFFINGTON POST社が啓発動画を作成しましたので、ぜひ試聴してみてください。

https://youtu.be/9o6NzvjLdOA

 障碍児がいる家庭に育ったことをポジティブに捉えることは大切なことです。そして、どのきょうだい児も障碍児もその家族も、そのように願っているのではないでしょうか。「わたしの人生でこのことが起きたのは偶然じゃなくて、私たちはこれを乗り越えるんだ、それをとおして成長するんだ」という気持ちを駆り立てます。

 でも、この動画のように美談にしてはならないと思います。

 正直なところ、障碍児がいることは感謝すると言った肯定的な側面よりもげんなり・うんざりしてしまったという側面の方が多かったからです。(これも家族関係などの個人差に寄ります。)

 ここに出演するきょうだいがいてよかったなと状況を達観できる日もあれば、ムッとしてしまいそう解釈できない日もあるはずです。

 家族のなかで寂しくて悔し涙を流している日もあります。腹を立てて、枕やぬいぐるみに八つ当たっている日もあります。(それは、子供から大人に成長するにつれ、ちゃんとケアをしないと、化膿し、取り返しのつかない傷になります。)

きょうだい
きょうだいだって人間だもの

 メディアがすることは啓発キャンペーンという名の「障碍ポルノ」になりえるのです。正式に言えば、「きょうだい児ポルノ」です。「障碍児を優しく包み込むきょうだいの存在、素晴らしいですよね」という称賛や憐れみが聞こえてきます。それで、自慰行為を促されているように感じます。その自慰行為を強要されたいですか。

 多くの人(世間)が自分以外が抱える問題や困難に目を向けることはよいことです。だけれども、動画の内容があまりにも断片的で誤解を生じるのではないかと思いました。語られていることは氷山の一角です。

 カメラの前の彼らの表情はどこか固く、作り物のようです。シナリオが用意されているようです。

 一般の人々にこのようなメディアが作り出した啓発キャンペーンの内容だけを信じないでもらいたいのです。

 「きょうだい児」という言葉があるんだきょうだい児という存在があるんだということに留めていただきたいのです。

 HUFFINGTON POST社は大手のメディアで、時間をかけてよく構成を練ったとは思いはします。しかしながら、必ずしもこれがリアルではありません。

 最後に、この動画のなかで、ひとりの女の子がインタビューに涙を浮かべています。この悲痛な感じは一体なんなのでしょう。

 シナリオを言わされている感じなのでしょうか。本当に言いたいことはそんなことじゃないんでは。本当は、きょうだい児であるがゆえのストレスで堪えきれなくなっているのでは。色々な憶測が飛びます。

 その行間に、障碍児が家族にいて、いろいろなトラブルが起きてくるこの試練がいかに言葉に尽くせないのか表しているようでならないと感じました。

 とはいえ、膨大な予算が組まれて作成され、日本語訳もついた本作品、「きょうだい児やそれ以外の人々に多く視聴され、きょうだい児問題に少しでも世間の意識が向けばいいなあ」と思いました。

PS:日本と米国ではきょうだい児の生き方や環境も大きく異なるのかもしれませんね。


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